捨てちゃっていいの?国から発行される書類のトリセツ

捨てちゃっていいの?国から発行される書類のトリセツ

国や会社などから、自分の年金や健康保険に関する通知を受け取ったことはありますか?普段見慣れない書類に戸惑い、何をしたら良いのか分からなかったという経験がある方もいるかもしれません。これらの通知は、具体的に手続きが必要な場合や、後々書類が必要になることもあります。今回は、国や会社から発行される書類についてご紹介します。

国から発行される書類は大切?
国や市町村、自分が勤務する会社などから、年金や健康保険に関する通知やお知らせを受け取った時、皆さんは中身をしっかりチェックしているでしょうか。見慣れない書類に戸惑い、見方が分からない、何をしたら良いのか分からないという理由から、引き出しの奥に放置してしまったり、紛失してしまったりした方もいるかもしれません。これらの国や会社から発行される書類には、いくつかの種類がありますが、具体的に手続きをしなければならない場合や、会社を退職した時など後々必要になる書類があります。私たちが受け取る可能性がある書類について、具体的に見ていきましょう。

源泉徴収票について
まずは、源泉徴収票についてです。会社に勤めている方なら、一度は目にしたことがあると思います。源泉徴収票は、給与や退職金、公的年金などの支払者である企業が2通作成し、1通は税務署に提出され、もう1通は従業員に交付されます。この書類には、あなたが1年間でもらった給与や退職金、公的年金などの支払額、源泉徴収された所得税額、生命保険料の控除額、配偶者控除額などが記載されています。毎年12月または翌年1月支給分の給与明細と一緒に渡される場合が多いですね。会社からのお給与以外に収入があり、確定申告をする場合や、転職や退職をした際に必要となる大切な書類です。今すぐ使う用事がなくても、少なくとも次の源泉徴収票が発行されるまで、1年間は必ず保管するようにしましょう。万が一紛失してしまった時は、勤めている会社に依頼して、再発行の手続きをとる必要があります。会社が倒産してしまって再発行を依頼するのが難しい場合は、税務署に相談してみましょう。

住民課税決定通知書について
次は、「住民課税決定通知書」についてご説明します。少し難しい書類名ですが、この通知書には、あなたの前年度の所得や、その所得をもとに計算されたあなたが納付しなければならない住民税の金額が記載されています。なお、全ての人に送られてくるという訳ではなく、市民税や都民税が課税されない非課税の方や、勤めている会社の給与からの税金が天引きされて、特別徴収で納めている方には、郵送されない場合もあります。また、銀行の窓口やコンビニなどで税金を納められるように、納付書が同封されていることもあります。住民課税決定通知書という書類が届いたら、中身をしっかり確認し、期日までにきちんと税金を支払うようにしましょう。

国民健康保険決定通知書について
次にご紹介するのは、「国民健康保険決定通知書」という書類です。これは、あなたが納めるべき健康保険料の金額が記載されています。国民健康保険法により、保険料の納付義務者は世帯主と定められています。そのため、国民健康保険の加入者全員分の保険料が世帯単位で計算され、世帯主の方あてに通知書が送られてくるのです。保険料の納付方法は、納付書や口座振替により、毎月末日までに自分で納める普通徴収と、年金から天引きされる特別徴収の2種類があります。特に普通徴収の対象の方は、国民健康保険決定通知書に同封されている納付書が必要となるので、きちんと同封書類の内容も確認しましょう。さらに、引越しをして保険料を納める自治体が変更になった場合や、転職や退職により所得の変更があった場合は、保険料に変更が生じて、保険料を納めすぎになっていることがあります。このような時には、「国民健康保険料過誤納金還付(充当)通知書」という書類が届きます。自分で口座を指定する手続きをとることで、納めすぎた保険料が戻ってくるので、書類を見過ごして損することがないように、きちんと対応することが大切ですね。

年金に関わる通知書について
最後に、年金に関わる通知書について、まとめてご紹介します。まずは「国民年金被保険者資格取得届書」についてです。日本国民は、国民年金に20歳から加入する義務があります。20歳になる誕生月の前月に、日本年金機構から「国民年金被保険者資格取得届書」が送られてくるので、必要事項を明記し、住んでいる市や区役所または年金事務所に提出するようにしましょう。そして、年金への加入手続きが完了すると、「年金手帳」が送られてきます。年金手帳は、保険料納付の確認や、将来年金を受け取る際に必要となるので、大切に保管しましょう。万が一、年金手帳を紛失した時や、き損してしまった時には、所定の手続きをとることで、再交付が可能です。日本年金機構のホームページで必要な手順を確認するようにしましょう。

年金保険料を納める時には、「国民年金保険料納付書」を使います。20歳になった時や、会社を辞めて国民年金第1号被保険者となった方は、国民年金被保険者資格取得届書の処理後、約2週間程度で国民年金保険料の納付書が届きます。また、国民年金第1号被保険者のうち、保険料を現金で納付している方は、4月初旬に1年度分の納付書が送られます。国民年金保険料納付書が届いたら、金融機関やコンビニエンスストアで、口座振替やクレジット納付を利用して、忘れずに手続きをして下さい。一方、結婚や離婚によって氏名を変更する場合には、年金機構からは特に通知書は届かないので、自分で変更手続きを行う必要があります。住所が変わった時などにも、忘れずに変更手続きをしましょうね。

最後にご紹介するのは、「ねんきん定期便」です。日本年金機構は、厚生労働省からの委託を受けて、国民年金および厚生年金保険の加入者(被保険者)の方に対して、毎年1回、その方の誕生月に、ねんきん定期便送っています。ねんきん定期便が届いたら、まずはその内容をチェック。日本年金機構では、2015年5月にサイバー攻撃を受けて、個人情報が漏洩するという事件が起こりましたが、自分のねんきんの情報が正しいかどうか、必ず確認しておきましょう。

税金や保険料、そして年金など、私たちの生活に関わる大切なお知らせが届いた時は、すぐに中身を確認して、具体的に手続きしなければならないことがないかチェックすることが重要です。内容が分からない場合は、書類の発行元に電話をして問い合わせることも可能。「あっ、忘れてた!」なんてことがないよう、しっかり対応していきましょう。