結婚するとどのくらい「トク」?

結婚するとどのくらい「トク」?

日本では、女性の社会進出など様々な要因によって、晩婚化が進んでいます。結婚しても、日々の生活において、経済的なメリットが得られなければ、なかなか結婚に踏み切れませんね。そこで今回は、結婚すると受けられる税制優遇制度などの制度やサービス、そしてお得な情報を具体的にご紹介しましょう。

日本では、近年晩婚化が進んでいます。2015年6月に厚生労働省から発表された「平成26年(2014年)人口動態統計」では、2014年の平均初婚年齢は、男性は31.1歳、女性は29.4歳と過去最高となりました。女性の社会進出や経済的な問題などが大きな要因と言われていますが、結婚しても、日々の生活においてメリットが得られなければ、なかなか結婚に踏み切れませんね。日本において、結婚することによって得られるメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。今回は、税制優遇制度などの国の制度やサービス、そしてお得な情報を具体的にご紹介しましょう。

配偶者控除「103万円の壁」とは?
まずは、配偶者控除について見ていきましょう。配偶者控除とは、家計を支えている大黒柱(おもに夫)が、配偶者(おもに妻)を養っている場合は、夫の税金を安くしてあげますよ、という税制優遇制度です。妻が、専業主婦の場合や、パートやアルバイトで働き収入が少ない場合に適用されます。具体的には、配偶者控除の対象となるために、以下4つの条件を全て満たしている必要があります。

 1.民法規定の配偶者であること(内縁関係の人は該当しない)
 2.納税者と生計が一緒であること(どちらかの収入だけで生活していること)
 3.配偶者の合計所得金額が38万円以下であること(給与収入が103万円以下であること)
 4.青色申告者の事業専従者で給与をもらっていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと

これがいわゆる「103万円の壁」と言われているものですね。妻の収入が103万円を超えてしまうと、大黒柱である夫が税制優遇制度を受けられなくなります。ただし、配偶者控除の他にも、「配偶者特別控除」という制度があることも覚えておきましょう。配偶者特別控除とは、配偶者(おもに妻)に、給与収入103万円以上を超える所得があるため、配偶者控除の適用が受けられないときでも、一定の金額の所得控除が受けられる制度です。この配偶者特別控除を受けるためには、配偶者控除の条件に加えて、以下2点の条件を満たしている必要があります。

 1.控除を受ける人の合計所得金額が1千万円以下であること
 2.配偶者の年間合計所得金額が38万円~76万円の間であること

結婚することで受けられる配偶者控除制度。税制優遇制度としてはメリットがありますが、近年「配偶者控除を廃止する」という議案が国会で議論にとなっています。この税制優遇制度を受けるために、女性が自分の所得を103万円以下にしようと調整してしまうため、彼女たちの社会進出を妨げていると言われているのです。配偶者控除制度が、実際に廃止になるかどうかはまだ確定していませんが、今後の動きに是非注目してみてくださいね。

社会保険料で得られるメリット「130万円の壁」とは?
次に、結婚することで得られるメリットとして、社会保険料を見ていきましょう。妻の年収が130万円以下の場合は、夫の扶養家族となるため、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料を負担する必要はありません。これは、専業主婦の方や、パートやアルバイトで収入が少ない妻がいる家庭にとって、結婚して得られる大きなメリットと言えますね。一方で、妻の年収が130万円を超えると、夫の扶養から外れてしまうので、社会保険料が自己負担となってしまいます。これが「130万円の壁」と言われているものです。先ほどの配偶者控除「103万円の壁」と合わせて、妻が働くことで配偶者控除が減り、さらに妻の社会保険料を自分たちで負担しなければならないことを考えると、この「壁」を乗り越えてまで働こうとする女性の意欲が失われてしまう現状が理解できます。これらの国の制度を理解した上で、結婚後や出産後の働き方をパートナーとよく相談することが大切ですね。


結婚すると受けられるサービス
結婚をすると、思いがけないところから臨時収入やサービスが受けられることがあります。例えば、日本の企業では、結婚すると受け取ることができる「結婚お祝い金」の制度や、ハネムーンや結婚式のために「結婚休暇」を取得できる場合がありますね。自分やパートナーの会社の福利厚生制度を調べてみてはいかがでしょうか。

さらに、それぞれ一人暮らしをしていた男女が、同棲生活をスタートさせることで得られる経済的なメリットもたくさんあります。例えば、家賃や食費、光熱費などの生活費を大きく抑えることができますね。それぞれが契約していたインターネットのプロバイダーなども一本化することができ、簡単に節約ができます。また、携帯電話の料金には、家族割引サービスなど、結婚して家族になることで受けられる料金形態を利用することも可能です。

今までバラバラに管理していたお財布も、夫婦2人で協力して管理することで、計画的に貯蓄をすることも可能です。妻の収入は生活費に使い夫の収入は全て貯蓄に回す、共通の口座を作り、それぞれが決められた金額を毎月入金するなど、結婚する前にお財布の管理方法をきちんと話し合うことが大切。そして、将来家を買うためや老後の資金のためなど、目標を持って貯蓄や資産運用を始めていきましょう。

いかがだったでしょうか。結婚は、人生においてとても大きな決断です。これら結婚すると得られる様々な制度やサービスをよく理解した上で、パートナーともしっかり話し合い、納得して結婚というステージに進んでいきましょうね。