定期預金より金利がオトク!個人向け国債の意外な魅力  

定期預金より金利がオトク!個人向け国債の意外な魅力  

2016年がスタートし、今年こそ資産運用にチャレンジしようと考えている人も多いのではないでしょうか。損をするのが怖い、まずは比較的安全な商品から始めてみたいと考えている方は、「国債」がオススメです。今回は、国債の商品概要や購入の仕方、そしてその注意点を勉強していきましょう。

資産運用を始めたいけれど、損をするのが怖い。定期預金に預けるよりは効率的にお金を増やしたいけれど、リスクが高い商品は買いたくない。このように考えている方には、「国債」がぴったりです。個人向け国債は、「日本国」という「国」が発行する債券なので、株式や投資信託に比べて安全性が高く、投資初心者にも購入しやすい商品ですね。安全資産対策として、実は意外な魅力がある国債。その商品概要を詳しく見ていきましょう。

個人向け国債の商品概要は?
個人向け国債には、満期(お金に換金されるまでの期間)と金利(1年間にもらえる利息)が異なる「変動10年国債」「固定5年国債」「固定3年国債」の3種類があります。ここで言う「変動」とは変動金利、「固定」とは固定金利のこと。変動金利の変動国債は、日本の市場における実際の金利の動きを反映して、半年ごとに適用される利率が変わります。一方固定金利の固定国債は、金利が国債発行時に決められており、満期まで変更されることはありません。個人向け国債の場合、変動国債でも、固定国債でも、最低0.05%(年率)の金利が保証されているので、日本の財政が破綻しない限り、損をすることはありません。また、3種類とも、1万円から購入が可能なので、投資初心者の方でも気軽に始めることができますね。

国債はどのくらい儲かるの?
個人向け国債は一体どのくらい儲かるのでしょうか。銀行の定期預金と比べて、お得なのでしょうか。私たちが国債の購入を検討するときに、一番気になるポイントですね。直近の税引き前の個人向け国債の利率を見てみると、「変動10年」が0.17%、「固定5年」と「固定3年」が0.05%となっています。利払いは年に2回に分けて行われるので、例えば、平成28年1月に「変動10年」を1,000万円購入した場合、初回の利払いは8,500円(1,000万円×0.17%÷2)となります。変動金利なので今後どのくらい儲かるかは正確には分かりませんが、平成18年4月に発行され平成28年4月に償還される「変動10年」は、発行時に1,000万円を投資していた場合、合計で394,000円の利子を受け取ることができました。財務省のホームページでは、個人向け国債を購入した場合の「購入シミュレーション」ができるので、どのくらい儲かるか計算してみると良いでしょう。

また、2016年1月6日現在の日本銀行の統計によると、日本における銀行の普通預金の平均利率は0.02%、1,000万円を10年間定期預金で預けた場合の平均利率は0.146%となっています。キャンペーンを行っているネット銀行など、なかには国債よりも高い利率で運用できる定期預金もありますが、この平均値で比べてみると、個人向け国債の利率は定期預金よりもお得ですね。定期預金より効率的にお金を増やすことができる安全資産として、国債は魅力的な商品と言えるでしょう。

国債はどこで買える?
個人向け国債には「募集期間」というものが設定されており、この期間内に商品を購入することができます。例えば、直近の募集期間は、平成28年1月7日から1月29日まで。募集期間は毎月設定されているので、ほぼ1年中、好きなタイミングで投資を始めることができます。また、初めて購入する方は、証券会社や銀行などで、国債の取引を行うための口座開設が必要になります。取引口座開設には、印鑑や運転免許証などの本人確認書類が必要になるので、事前に確認しておきましょう。個人向け国債は、日本のほとんどの銀行や証券会社などで取り扱っており、最近は直接金融機関の窓口に行かず、インターネットや電話でも購入可能です。財務書のホームページには、国債を取り扱っている金融機関が掲載されているので、まずは確認してみましょう。自分が普段利用している金融機関で、簡単にチャレンジすることができますね。

国債購入時の注意点
ただし、個人向け国債を購入するときには、いくつかの注意点があります。まずは、「中途換金」についてです。急にまとまったお金が必要になった時、銀行の普通預金ではすぐにお金をおろすことができますが、国債の場合は、購入後1年間はすぐに換金することができません。(口座名義人が死亡した時、大規模な自然災害に遭った時など、例外的に中途換金が可能な場合もあります。)そして、中途換金をする場合には、額面金額から所定の金額(直前2回分の各利子(税引前)相当額)が差引かれることを覚えておきましょう。

また、個人向け国債は、他の金融商品同様に、税金がかかります。個人向け国債の場合、利子の受取時に、20.315%分の税金が差し引かれます。遺族年金を受けることができる配偶者の方や、身体障害者手帳の交付を受けている方などは、非課税となる制度もあります。金融商品の税金について詳しく勉強したい方は、財務省のホームページや各金融機関に確認をしておきましょう。
国債のお得なキャンペーン情報
個人向け国債は、各金融機関が、様々なキャンペーンを実施していることがあります。例えば、野村證券では、1月29まで「冬の個人向け国債キャンペーン」を実施中。2016年1月募集の個人向け国債のうち、10年債、5年債を購入した方には、対象金額に応じて現金をもらうことができます。また、SMBC日興証券でも、同様に現金がもらえるキャンペーンを実施中です。SMBC日興証券のインターネット口座を利用して国債を購入した人も、キャンペーンの対象になります。このような各金融機関の情報にしっかりアンテナを張っておくことで、よりお得に個人向け国債を購入することができますね。

いかがだったでしょうか。簡単な手続きで始めることができる個人向け国債は、資産運用初心者の方にもぴったりな商品です。お金を銀行の定期預金に預けっぱなしになっている方は、安全資産対策として、国債を利用してみるのも一つの手段ですね。意外な魅力が詰まった個人向け国債、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか。