どうする?保活がうまくいかなったときのマネー準備

どうする?保活がうまくいかなったときのマネー準備

女性にとって人生最大のイベントである出産と子育て。産休・育休を取得して、出産後も会社に戻って仕事をしたいと考えている女性は、年々増加しています。しかし、子供を預ける保育園探し、いわゆる「保活」がうまくいかなかった場合、女性はスムーズに会社に復帰できるのでしょうか。今回は、気になる日本の保活事情をご紹介します。

出産後スムーズに会社に復帰するためには?
女性の社会進出に伴い、子供を出産しても、また会社に戻って仕事をしたいと考えている女性は、年々増加しています。産休・育休の取得後に、スムーズに会社に復帰するためには、子供を安心して預けることができる保育園を探すことが必要不可欠。保育園の数を増やすなど国の政策も取られていますが、希望の保育園に入所できず、待機児童として保育園難民になってしまうケースがあるのも事実です。子供を預ける保育園探し、いわゆる「保活」がうまくいかなかった場合に備えて、私たちはどのような準備をしたら良いのでしょうか。日本の保活事情を詳しく見ていきましょう。

全国の待機児童の数はどのくらい?
厚生労働省が発表した調査によると、2014年10月1日現在の全国の保育所入所待機児童の数は、 43,184 人。44,118人であった2013年10月と比較すると934人減少しています。都道府県別に見てみると、待機児童数が最も多いのは東京都で12,447人。保育所の激戦区と呼ばれている東京都世田谷区では、1,049人という結果になっています。神奈川県横浜市は、待機児童数252人、千葉県千葉市は待機児童数160人など、国や市町村などによる待機児童の数を減らす政策が成果として表れている地域もありますが、残念ながら、まだ保育所の数が足りていないのが日本の現状のようですね。

認可保育所と無認可保育所の比較
そもそも保育所は、認可保育所と無認可保育所の大きく2つに分けることができます。認可保育所とは、国が定めた様々な基準を満たし、都道府県知事に認可された施設。施設の広さや保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等の厳しい基準をクリアしており、親も安心して子供を預けることができますね。施設によっては、延長保育や一時保育などの個々のニーズに応えきれないこともありますが、 認可保育所には公的資金補助があるため、保育料は比較的安く、月額2~5万円程度となっています。

一方、無認可保育所とは、園庭の広さや職員の数など、設置基準を満たしておらず、国の認可を受けていない保育施設のことです。東京都が独自の基準で行っている認証保育所も、この無認可保育所に該当します。無認可保育所の保育料は、保育施設によっても異なりますが、認可保育所に比べると大幅に高額で、月額5~10万円程度になることも。保育所の設備や、保育料のことを考えると、親としてはやはり認可保育所に子供を預けたいところですね。

保育所に入れなかった場合、どうする?
認可保育所や無認可保育所に申し込んでも抽選に外れてしまった場合、ママはどのような対策をとったら良いのでしょうか。まず、育児休業中にもらえる育児休業給付金についてですが、保育所等に子供を預けられず会社に復帰できない場合、子供が1歳6か月に達する日前まで、支給対象期間を延長することができます。育児休業給付金の延長には、各市町村で手続きを行う必要があるので、延長要件等を確認しておきましょう。

そして、何より大切なのは、会社の上司に相談し、育児休暇を延長できるかどうか確認することですね。早めに会社と相談することで、会社側も色々と対応してくれることもあります。預ける施設が見つかり次第、すぐに復帰したいという意思を伝え、産休中や育休中も上司と良好な関係を築けるように、親密なコミュニケーションをとることが大切です。

また、完全復帰とまではいかなくても、一時保育所を利用して、時短勤務から会社復帰の第一歩始めるのも一つの方法ですね。例えば、横浜市などでは、保護者等の就労等により家庭での保育が困難と認められた場合は、週3日または月120時間以内まで、一回2,400円ほどで一時保育を利用することができます。各市町村によって、一時保育の条件や値段が異なるので、事前に確認しておくようにしましょう。

さらに、保育所に入れるまでの期間、民間のベビーシッターにお願いすることもできます。ベビーシッターに頼む時は、保育料の安さや手軽に頼めるかという視点だけではなく、信頼できるかどうかという点で選ぶことが大切です。ベビーシッターによる子供の虐待等、恐ろしい事件が起きている中で、民間の会社にお願いすることに不安を感じる方もいるかもしれませんが、公益社団法人全国保育サービス協会に加盟している会社の情報や、市町村が公開しているベビーシッター事業者の情報等を参考にするようにしましょう。実際に子どもをベビーシッターに預ける前に、インターネットの情報だけではなく、ベビーシッターと面会し、信頼できる人かどうかを確認することも忘れずに。子供を認可保育所などに預けている場合でも、子供が急に熱を出した時など、一時的にベビーシッターを利用することもできます。事前に情報を集めて、ママを応援してくれる様々な施設やサービスを上手に利用していきましょう。

保活に備えたマネープランを
認可保育所や無認可保育所に入所することができなかった場合、一時保育所やベビーシッターはママをサポートしてくれる強い味方。しかし、これらのサービスを利用するとなると、やはり気になるのはそのコストですね。育児休業中は世帯収入が減り、不安になる方も多いと思います。だからこそ、保活に備えたマネープランをたてることが大切です。まずは、完全復帰した場合のお給料や、時短勤務で復帰した場合にもらえるお給料など、状況によってどのくらいの収入がもらえるのかを確認しましょう。さらに、夫のお給料と合わせた世帯収入を計算し、一時保育やベビーシッターにかかる費用を確認。収入と支出のバランスがとれているかチェックします。始めのうちは、保育サービスの利用により出費がかさみ、復帰したのにもかかわらず、そのお給料のほとんどが保育料に使われてしまって、苦しい状況になることがあるかもしれません。しかし、この状況は一時的です。認可保育所に入所することができれば保育料は減るので、将来的に見ると、保育サービスを利用して仕事に復帰した場合の方が、明らかに家庭の収支がよくなります。

妊娠、出産を経て、子育てをしながら会社に復帰するためには、様々なハードルを乗り越えなければなりません。夫や親など家族の協力や会社の理解、そして市町村のサービスなどを上手に利用しながら、会社復帰へ計画的に準備していくことが大切です。保活中のマネープランもしっかりたてて、最後まで諦めずに仕事復帰への道を模索して下さいね。