私でもわかる!初めての確定申告 

私でもわかる!初めての確定申告 

今年も確定申告の時期が近づいてきました。昨年、転職やマイホームを購入した方、また医療費が多くかかったご家庭などは、確定申告の対象となります。今まで確定申告をやったことがない人は、難しいと感じるかもしれませんが、確定申告は払いすぎた税金を取り戻すチャンス。事前に概要を理解して、しっかり準備をしておきましょう。

今年も確定申告の時期が近づいてきました。今まで確定申告をやったことがない人は、「自分は対象となるのか?」「どんな書類を準備したら良いのか?」「確定申告の方法は?」と、分からないことだらけ。仕組みや手続きが難しいと感じてしまい、なかなか準備が進みませんね。今回は、そんな確定申告初心者の人でもスッキリ理解できるように、確定申告の基本をご紹介します。概要をしっかり理解して、期日までに準備をしていきましょう。

確定申告の目的とは?
私たち個人における確定申告の目的は、「去年1年間の所得を確定させ、適切な税金を納める」というものです。つまり、2016年に行う確定申告というのは、私たち個人が2015年1月1日から12月31日までに得た所得を正確に計算することで、多く納めすぎた税金は返してもらい、少なすぎた場合は追加で税金を支払う必要があります。会社に勤めているサラリーマンの方は、毎月のお給与から所得税がすでに差し引かれて口座に振り込まれていますね。これを税金の源泉徴収と言います。去年1年の間に、会社を転職したり、退職した場合は、税金を多く納めすぎている(源泉徴収されすぎている)可能性があります。また、マイホームを購入したり、入院等で医療費が多くかかったご家庭は、これらの費用が「生活するための経費」とみなされ、所得税を減額してくれる措置がとられます。このように、実際源泉徴収されて支払った所得税と、本来払うべき所得税の違いを申告し、適切な税金を納めることが確定申告をする目的なのです。

確定申告の具体的な方法とは?
2015年度の確定申告は、2016 年2月16日から3月15日までに行う必要があります。期日までに間に合わなかった場合、「延滞税」を支払わなくてはならない場合もあるので、計画的に準備をすることが大切です。確定申告を行う場合、以下の手順で進めていくと分かりやすいでしょう。

1. 自分が確定申告をするべきなのかを確認する
2. 確定申告に必要な書類を準備する
3. 確定申告書を作成する
4. 税務署およびインターネット上で、確定申告を行う
5. 必要に応じて、税金を追納する

確定申告が必要なのはどんな人?
確定申告が必要な人とは、2015年の間に、医療費が多くかかった人、転職した人、マイホームを購入した人、給与の年間収入金額が2,000万円を超える人、お給与を2つ以上の会社から受けていている人などが対象になります。親族から財産の贈与を受けた人や、会社を退職して退職金をもらった人も確定申告の対象です。さらに、株や投資信託など資産運用を行い損失が出ている方や、災害等に関連してやむを得ない支出をした方(雑損控除を受けられる方)も確定申告をすることで、税金が戻ってくる可能性があります。自分が確定申告しなければならないのかを確認するには、国税庁が開設している「平成27年分 確定申告に関する情報の総合窓口」のホームページを見て調べてみましょう。それでも不明な場合は、直接最寄りの税務署に電話をして確認することも可能です。

確定申告に必要な書類
確定申告をする際には、あなたの2015年度の所得を正確に把握するために、給与所得や公的年金等の源泉徴収票(原本)などの書類が必要になります。さらに、医療費が多くかかった人、転職した人、マイホームを購入した人などは、追加で書類を提出しなければなりません。準備すべき資料を確認していきましょう。

まず、医療費が多くかかった人の場合です。あなた本人やあなたの配偶者や家族が医療費を支払った時には、一定金額を所得税から差し引いてくれる制度があります。これを医療費控除といいます。医療費控除の対象となる金額は、1年間の医療費の合計が10万円を超えている場合です。1年間分の医療費の領収書と、医療費控除に関する事項を記載した確定申告書を提出する必要があります。

次に、昨年1年の間に転職活動をした人は、確定申告が必要な場合があります。一般的に、サラリーマンとして会社に勤務している人は、「年末調整」という簡易的な手続きを行うことで、確定申告を行う必要はありません。しかし、転職活動中で年末どこの会社にも在籍せず年末調整を行わなかった人や、新しい会社において、前の会社の源泉徴収票を提出していない人は、確定申告の対象です。前の会社と新しい会社のそれぞれの源泉徴収票を提出する必要があるので、準備を進めるようにしましょう。

最後に、マイホームを購入した時には、納めすぎた税金が還付される「住宅ローン控除」という制度を利用することができます。所得が3,000万円以下であることや返済期間が10年以上の住宅ローンであることなど、いろいろと要件がありますが、要件に当てはまる方については、確定申告することで税金が戻ってきます。不動産会社と契約した「建物・土地の不動産売買契約書の写し」や、住宅ローンの残高を証明する「残高証明書」が必要になるので、書類が手元に揃っているか確認をするようにしましょう。

確定申告書の作成と申告方法とは?
確定申告書の作成は、税務署に置いてある確定申告書に手書きで記載する以外にも、パソコンを使って簡単に作成することができます。先ほどご紹介した国税庁の「平成27年分 確定申告に関する情報の総合窓口」のホームページには、確定申告書の作成方法が動画でも解説されているため、初心者でもきちんと取り組めるようになっています。E-TaxというWebシステムを利用すると、直接税務署に行かなくても、オンラインで全ての確定申告の手続きを行うことも可能です。ただし、E-Taxの利用には、ソフトウェアの事前インストールや電子証明書の取得など事前準備が必要になります。確定申告の具体的な方法や、書類の記入方法が分からない時は、最寄りの税務署に相談することも可能です。確定申告の時期は税務署も混み合うので、早めに問い合わせをするようにしましょうね。

初めての方は、なんだか難しそうと敬遠しがちですが、確定申告は、自分の1年間の所得を確認し、税金を正確に納付するとても大切な手続きです。期日ぎりぎりに慌てないよう、今からしっかり準備を進めていきましょう。