人気の習い事をアメリカと比較。日本の特徴とは?

人気の習い事をアメリカと比較。日本の特徴とは?

子供たちが習い事に通うのが当たり前の時代。習い事の種類は多様化しており、最近のトレンドを押さえた一風変わった教室が注目を浴びている。さらに習い事事情をアメリカと比較してみると、日本の特徴が見えてきた。

日本で人気の習い事
 「ケイコとマナブ.net」が2015年に行ったアンケート調査によると、日本の未就学児や小学生が通っている習い事のトップ10は次のようになっている。
1位 水泳
2位 英語・英会話
3位 ピアノ
4位 体操
5位 学習塾・幼児教室
6位 サッカー
7位 書道
8位 バレエ・ジャズなどのダンス教室
9位 空手
10位 そろばん
 1位の水泳は、アンケートが掲載され始めた2012年から不動である。子供の体力づくりのためという理由の他に、小学校での水泳の授業に備えて通っている子供も多い。
 2位英語・英会話は小学校でも英語教育が始まったことを受け、ここ数年さらに人気が伸びている。文法や英単語を学ぶ以外に、外国人の先生と歌やゲームをして英語に慣れることを目的としている教室も多い。4位の体操は、地域のコミュニティセンターや小学校、大人も通うスポーツジムなどで開催されている。子供たちは、先生の指導のもと、逆上がりや三点倒立、跳び箱や側転、ブリッジなどにチャレンジ。基礎体力が身につき、体の柔軟性も高まると注目されている。
 一方、これから子供に通わせたいと思っている習い事を見てみると、1位は英語・英会話となっており、そのほか書道やそろばんなどの日本特有の習い事も人気が高い。小学校の高学年になると、コンピューターのプログラミングが8位にランクイン。将来、仕事などで役にたつと、子供のうちからプログラミングを習わせたい親が急増している。

最近注目のユニークな習い事
 上記で挙げた人気の習い事の他に、最近注目されている面白い習い事として子供の料理教室が挙げられる。「食育」という言葉が浸透している今、子供のうちから食文化に関心を持ち、自分で料理をして健康管理ができるようになるためにと人気が出ている。全国で展開している料理教室「ABC Cooking」 では、満4歳から小学3年生の子供向けに、料理教室を開催。料理実習の他に、出汁や食材の成分について学ぶ食育教育も行っている。
 また、オリンピックなどでの日本人の活躍により、ゴルフやフィギュアスケート、テニスなどの新しいスポーツ種目も普及してきている。これらの習い事は、使う施設の場所が限定されているため、親が時間的にも金銭的にも余裕がないと通えないだろう。

アメリカでは「子守り」も
 一方、米国では国土の広さなどの特徴が子供の習い事に出ている。米国の場合は幼少期から「お受験」をさせる家庭は少ない上、学校に校則がない場合が多い。そのため学校のカリキュラムに関係なく習い事を選択している傾向があるという。
 例えば、自然と触れ合いながら押し花をする、塩の結晶を作るなどの科学教室がある。米国の隣国であるメキシコの公用語スペイン語を学ぶ教室もある。また習い事ではないが、中学生や高校生がベビーシッターとして近所の赤ちゃんの子守りをするアルバイトやボランティアもさかんだ。特に女子高校生などは、ベビーシッターをすることで将来のため実践的に子育てや家事のやり方を学ぶことができる。このため、この活動に賛同する米国人は多いという。
 日本の場合、五輪スポーツを除くと、受験や仕事で将来役に立つと思われることを子供のうちから習わせたいという親が多い傾向にある。昔から人気がある水泳やピアノだけでなく、子供が興味を持ち楽しく続けられるユニークな習い事を見つけてみてはいかがだろう。