年収トップ10比較。日本でランク外、米国で上位の「ある職種」とは?
日本で給料が高い職業といえば、医者や弁護士などの専門職や中小企業の社長などを思い浮べる人も多いのではないだろうか。ではアメリカでは、どのような職業の給料が高いのだろうか。アメリカの大手情報サイトU.S News & World Reportの掲載記事からアメリカの年収ランキングを紹介するとともに、日本との違いを比べてみよう。
米国の年収トップ10
【10位 アートディレクター】
ここで言うアートディレクターとは、雑誌のレイアウト編集や、企業広告やCMの作成、携帯のアプリの作成など、広い意味でクリエイティブな仕事を担当・管理している人を指す。仕事内容によって差があるが、平均年収は8万3000ドル。日本円で約1000万円。
【9位 オペレーションマネージャー】
オペレーションマネージャーは、企業の人事部や総務部などの業務系・事務系の部署の役職者。他の部門に比べ女性社員の比率が高く、本人自身がオペレーション部門出身で、実務経験がある場合が多い。平均年収は11万6090ドル。日本円にして約1390万円。
【8位 薬剤師】
薬剤師の平均年収は11万6500ドルで、日本円だと約1400万円。日本の薬剤師の平均年収は約500万円から600万円なので、2倍以上差がある。アメリカの場合、薬剤師になるためには、大学を卒業後、薬学の修士過程と博士課程を卒業しなければならない。
【7位 セールスマネージャー】
電話や店頭で商品やサービスを実際に販売することに加え、消費者の流行を分析し、売上目標の設定や戦略を立てるのがセールスマネージャー。アメリカでは、給与が出来高制である場合が多い。販売する商品やサービスによっても異なるが、平均年収は12万3150ドル。日本円で約1480万円。
【6位 ファイナンシャルマネージャー】
ファイナンシャルマネージャーは、社内のお金まわりを管理・担当者。経理部や財務部の他にも、企業の予算案を議論したり投資案件を検討したりする。企業戦略部門に所属する場合も。平均年収は12万6600ドル。日本円で約1520万円。
【5位 弁護士】
アメリカの弁護士の平均年収は13万1900ドル、日本円で約1580万円。一方、日本の弁護士の平均年収は、1000万円から1200万円ほどと言われている。
【4位 ITマネージャー】
テクノロジーやコンピューターシステムに関わる業務を管理、監督する人のこと。システム会社だけではなく、金融機関やメーカーでもITマネージャーは企業の中で大きな役割を担っており、専門的な知識を要するために給与は高め。平均年収は13万2570ドル。日本円にして約1590万円。
【3位 マーケティングマネージャー】
マーケティングマネージャーとは特定の商品やサービスについて、市場調査を行い顧客のニーズを探り、ニーズに応じた販売戦略を立てる役職。平均年収は13万3700ドル。日本円で1600万円。
【2位 歯科医】
歯科医の平均年収は16万4570ドル。日本円で約1970万円。内科医に比べると下がるが、やはり医師という職業は給与が高い。アメリカは日本に比べて医療費が高めだが、特に歯科は保険が使えないことも多く、治療費が高額になることも背景にあるようだ。
【1位 内科医】
日本でも給与が高いとされている内科医。アメリカで内科医になるには4年間の大学に通った後、4年間大学院などで専門知識を学び、さらに8年間の研修医期間が必要。2013年の平均年収は18万8440ドル。日本円で約2260万円。
日本と比較してみると…
一方、日本ではどうだろうか。武蔵野大学講師の舞田敏彦氏が2014年の厚労省「賃金構造基本統計調査」を使って試算した「129職業の年収ランキング」をみると、1位が航空機操縦士(1712万円)、2位が医師(1154万円)、3位が大学教授(1073万円)、4位が弁護士(1035万円)となっている。トップ10ではほかに記者、歯科医師や公認会計士、税理士、不動産鑑定士などが入った。日本の上位には医師や弁護士、会計士など、資格系の職種が多く含まれていることがうかがえる。
アメリカの年収ランキングを見ると、日本と同様に「医師」「弁護士」が上位に入るものの、3位の「マーケティングマネージャー」や4位の「ITマネージャー」のように資格系以外の「マネージャー職」が多く含まれているのが分かる。
アメリカの場合、日本に比べてヘッドハンティングが盛んに行われているため、一般的には、同じ職種であっても転職するたびに年収が上がっていく構造となっている。こうしたキャリア形成の違いがマネージャー職の年収を押し上げているのかもしれない。