海外経由で買ったネット配信音楽や電子書籍も課税対象!?

海外経由で買ったネット配信音楽や電子書籍も課税対象!?

最近は、インターネット上で音楽や本を購入し、楽しむ人が増えてきていますね。2015年10月1日から、海外からインターネット経由で購入した書籍や音楽に税金がかかるようになりました。今回は、課税がスタートしたその理由や、ネット配信される書籍や音楽の現状の売上など、課税制度の裏側について詳しく見ていきましょう。

◇海外からネット配信される書籍や音楽が課税対象に

10月になり、すっかり秋の気配ですね。食欲の秋、スポーツの秋といいますが、秋は読書や芸術を楽しむ季節。本屋さんで本を買ったり、CDを買ったりする人も多いと思いますが、最近は、インターネット上で音楽や本を購入し、楽しむ人が増えてきています。2015年10月1日から、これらインターネット配信される有料の書籍や音楽のうち、海外の企業から購入するものについては、8%の消費税がかかるようになりました。例えば、日本に住む消費者が、海外に拠点がある米国Amazon.comなどから定価1,000円の電子書籍を買う場合、今までは税負担がなく1,000円で済んでいましたが、10月から、1,080円払わなければならなくなったのです。

◇なぜ税金がかかるようになったの?

日本で消費税がかかる対象は、「国内での取引」と「モノの輸入」に限定されています。電子書籍や音楽などをインターネット配信で購入する場合、10月1日以前は、企業の所在地が国内の場合は消費税がかかり、海外企業の配信は「国外取引」とみなされ課税されていませんでした。しかし、同じ音楽や電子書籍であっても、国内企業と海外企業の間で税金の負担の違いにより商品価格に差が出ることから、この不公平感を解消させるために今回の課税がスタートしたのです。新たに消費税が課税される対象は、日本での電子書籍などの売上高が1千万円を超える海外企業。スマートフォンの普及等により、インターネット配信を利用している人は増加しており、2012年の海外からのインターネット配信市場は電子書籍が352億円、音楽が231億円と推計されています。消費者にとっては税金負担が増えますが、課税の背景を理解して、この秋も音楽や読書を楽しみましょう。