<2015年6月23日 わたしのマネー術に掲載していただきました。>
夏休みやシルバーウィークは世界遺産へ!その経済効果と問題点とは?
2014年6月に、富岡製糸場と絹産業遺産が世界文化遺産に正式登録されました。それからはや1年、日本のみならず、世界中から観光客が押し寄せています。今後も大きな経済効果が期待されていますが、世界遺産がもたらすのは、実はメリットだけではありません。今回は、世界遺産のメリットとデメリットについて勉強していきましょう。
◇日本が誇る世界遺産 期待される経済効果とは?
日本は、世界文化遺産と世界自然遺産、合わせて18の建物や地域が世界遺産に登録されています。京都や奈良の文化財や広島県の厳島神社などに加え、2011年には東京都の小笠原諸島、2013年には富士山、そして2014年6月には富岡製糸場と絹産業遺産が世界遺産に登録されました。これらの世界遺産には、日本のみならず、世界中から観光客が押し寄せていますね。富岡製糸場の場合、2014年に群馬県が試算した世界遺産による経済効果は34億円と言われており、お土産物のお店やレストラン、鉄道やバスなどの交通機関や宿泊施設など、地元の経済の活性化に大きく貢献しています。
◇世界遺産登録によっておこる問題点とは?
しかし、世界遺産に登録されることは、必ずしもメリットだけではありません。小笠原諸島や富士山などの自然遺産については、訪れる観光客が増えたとしてもその生態系を崩さないように自然維持活動が必要となります。また富岡製糸場などの文化遺産については、老朽化した建物をこれからも半永久的に保全していかなければならず、これらの費用は国と地方自治体が折半して負担します。世界遺産は、観光と保全維持のバランスが大変難しいのです。観光客一人一人がしっかり自覚し、自分で出したゴミは持ち帰る、設備の維持活動の募金に協力するなど、世界遺産をみんなで守る行動こそが、世界遺産がもたらす経済効果以上に、とても大切といえるでしょう。今年の夏休みや9月のシルバーウィークに、国内外の世界遺産へ旅行計画を立てている人は、世界遺産そのものだけではなく、その自然環境や設備の保全維持活動にもぜひ目を向けてみましょう。
わたしのマネー術
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