結婚・出産・育児、親からの資金援助が最大1000万円まで非課税に!
これから結婚や出産を予定されている方や、すでにお子さんがいるご家庭にとって、将来かかる費用のことは、頭が痛い問題ですね。2014年末に発表された2015年度の税制改正法案には、このような方々に是非利用していただきたいお得な情報がたくさん盛り込まれているのです。
今回注目したいのは、「贈与税非課税制度」の拡充です。日本では、両親や祖父母から年間110万円を超える資金を援助してもらった場合は、最大50%の贈与税がかかる仕組みになっています。これまでの制度では、例えば1000万円の贈与を受ける場合、約230万円の税金を子供自身が納めなければなりません。しかし今回の税制改正により、結婚・出産・育児という大きな出費が伴う時期に、両親や祖父母から受ける資金援助が、1000万円まで非課税になりました。結婚資金や出産費用を援助してもらっている方は多く、特に結婚資金については、約70%が親・親族から援助を受けています(*1)。今回の制度改革によって、家族が子供たちの新しいスタートを計画的に応援できるようになりました。
すでに始まっている教育資金と住宅資金の援助制度も、今回の改正で、より活用しやすいものになりました。まず、2015年末で終了予定だった教育資金援助の非課税制度は、2019年まで期間が延長されました。子供1人あたりの教育資金は、私立の場合、幼稚園から大学卒業までに約2000万円が必要ですが(*2)、この制度を利用することで1500万円までは非課税で両親や祖父母から一括支援してもらうことができます。また、住宅資金援助については、これまでの1500万円の非課税枠が最大3000万円まで拡大されました。
贈与を受ける子供の年齢制限や、贈与された金額を使い切らなかった場合に残金に贈与税が課されるなど注意点もありますが、上手に利用すれば、とても魅力的な制度改革といえるでしょう。消費税増税や相続税の基礎控除縮小など、税制がめまぐるしく変化していくこれからの時代、増税というマイナス面だけではなく、新たにできるお得な税制の情報を仕入れて、上手に活用していきたいですね。
*1 ゼクシィ結婚トレンド調査 2014
*2 文部科学省 平成24年度「子供の学習費調査」・日本政策金融公庫 平成25年度「教育費負担の実態調査結果」